私が幼いころ、どういうわけか、回りの大人達は私に「床屋」さんになることを薦めていました。(特に祖母だったかな)
決まり文句は「手に職をつけると将来困らないから」というもの。
『てにしょく?』
『てにしょく』が「手に職」を意味し、それがどういうことなのか分かったのはずいぶん経ってからの話ですが、少なくも、物心つくかつかないうちに『てにしょく』という言葉は脳裏に刻まれたのでした。
残念ながら期待を裏切って「床屋」さんにはなりませんでしたが、もしかすると、今の仕事の選んだ淵源をたどれば、『てにしょく』的キーワードが潜在意識の中で行動に働きかけたせいなのかもしれません。
ご承知の通り、我々の仕事は「手に職」的仕事なのですが、学生時代から、ブレることなく「整体師 になるぞ!」と決意してなった人は少ないと思います。
むしろ普通に社会人としてキャリアを積み、様々な縁の中でこの仕事に興味を持つに至り、業界に入ってきた人がほとんどではないでしょうか。(私も例外ではありません)
理由はどうあれ、他人を癒し、あるいは苦痛を軽減できる技能を持つことは素晴らしいことだと思います。
これぞまさしく「手に職」ではあるのですが、話を戻して「床屋」さんの業界を今一度見てみましょう。
現在、全国を席巻しているのは「千円カット」屋さん。私もここ5~6年くらい「千円カット」屋さん以外で髪を切ってもらった記憶がありません。(実は最近、その千円カットさえ利用しません。自分で切るようになっています)
そうすると普通の「床屋」さんが大変ですよね。
そう、廃業が相次いでいるわけ。そうした状況ですから、新規開業で普通の「床屋」さんをやろうなんて人は当然少ないことになります。 (最近、普通の床屋さんの新規開店が少なくなったでしょ!)
このように床屋さんを取り巻く環境が激変しました。
一言でいうと時代の変化です。
我々の業界も、開業さえすれば成功するという古き良き時代もありましたが、今は昔の話で、おりからの不況、リストラのあおりか、それこそ「手に職」をうたい文句にし、大手校が大募集をかけた結果、同業者がベラボーに多くなってしまいました。
つまり、我々を取り巻く世界も「床屋」業界以上に環境が激変しているわけです。
もはや「手に職」の質が問われる時代なのです。
私のところにもチラシや新聞折込、フリーペーパーなどの宣伝媒体が配られてきますが、毎回のように新顔の治療院、サロンが出稿されています。
そしてつくづく思うわけです。
(残念なことになってるなぁ~、この内容じゃ無理だろうな・・・)
そのサロンが成功するかどうかチラシを見るだけで分かります。
数年前から完全に整体業の潮目が変わってきているのですが、スクール自体がその潮目の変化に気がついていないようです。
或いは気がついていても「不都合な真実」としてあえて触れないで卒業させてしまっているのか。
新規参入者はある一定のビジネススキルがないとそれ自体が巨大な参入障壁となります。また、癒やしと治療との究極的な融合が測られていないと、それもまた参入障壁となるのです。
どんな業種もそうですが、変化に気がつかないと生き残っていくのは非常に難しい時代です。
優れた技術を持つことは当然のことですが、それを知ってもらうにはどうするのか?
時代にマッチしたメニューはどうあるべきか?
どんなに時代が変わろうと、変わらざる普遍的なものと、時代に合わせ、変化させていかねばならないもの、この立て分けをキッチリ見極めて運営していかねばならない時代なのです。
「2番じゃダメなんですか?」
事業仕分けで、ある女性議員が発した言葉ですね。
流行語にもなりました。
科学技術の世界では最初から2番を目指すバカ者はいません。
2番手じゃ特許も取れませんしね。
ところが、この業界では一番を目指す必要はありません。
なにせ個人営業ですから。
個人の体力の問題もあるでしょうし、置かれた環境も違います。
だからといって、ノホホンとしていても生き残っていくことはできません。商売の厳しさというのはこの仕事にも歴然とあるわけです。
前述のように雨後のタケノコのようにサロンや治療院が乱立している状況です。
このような環境でどうすれば自分のペースで悠々と食べていけるか?ということが切実なテーマになりますね。
結論からいうと話は簡単で、同業者の中で上位2割の仲間入りをしていれば良いのです。
何を基準にして2割なのか?
それはビジネススキルのことです。
特に集客するノウハウ。これがあまりにもお粗末な人が多くて、大半は失敗しています。
誰に教えられなくてもそういうことが出来る一群の人々はいるのですが、そういう人達は当然、2割の中に入っているわけです。
一部のそういうことを教えなくも出来る人達が成功例として紹介されているわけですが、それはほんの一握りの人達だと理解したほうが良いでしょう。
自分がその一握りの中に入いる自信があるのなら、私の言う事に耳を貸す必要はありません。
しかし、どうもマーケティングとか広告文を考えるのは苦手だという人は真剣に耳を傾けるほうが賢明ですよ。
自分の住む街には一軒や二軒、名物的なサロン、治療院があるのではないでしょうか。
お客が絶えることなく繁盛している・・・噂を聞きつけ電車やバスを乗り継ぎわざわざ遠方よりお客がやってくる・・・
そしてそこには名物的な治療師なりがいて、やれギックリ腰が一発で治っただの、杖をついて来た爺ちゃんが帰りは杖なしでシャンシャンと歩いて帰っただの・・・
そういう風評的伝説が伴うことが多いものです。
私は25年この業界に身を置き、その実態を良く知っているのですが、一発改善や奇跡的な治癒はそりゃありますよ。
ただし、いつもそうではありません。そんな甘い話があるわけがないじゃないですか。
しかし、この業界の入門者的な人達は誤解するんですね。
そうか!と。腕を磨けばそうなるのかと。
腕さえ磨けば、伝説的な治療家になって、或いはカリスマ的施術者になって先客万来になるのか!
大いなる幻想です。
このようなサロン、治療院には二つタイプがあるのです。
一つはもともと生まれ持ったカリスマ性を持っている人が運営している場合。
これは説明不能に近い。治す技術は大したことがなくとも、とにかくカリスマ性がある。
こればかりは真似しようがありませんね。ちょっと別格だと思ったほうが良いと思います。
もう一つのケースは大変な努力をしているケース。今風の言葉でいうとプロデュース力とでも言いましょうか。
陰での見えない努力は凄いものがあります。
その陰の努力によって、集客し、結局、確率ですから、仮に確率が普通であったとしても絶対数が多いわけですから、当然、治る絶対数が多くなり、風評的神話が生まれていくわけです。
自分が逆立ちしても真似が出来ない人の真似をしてもダメですよ。
カリスマ性というのはごく一部の人にしか備わってないのですから。
その点、努力なら誰でも出来ますよね。
しかし、その努力の方向がよく分からないわけですよ。
その誰でも出来る努力の方向性さえ知って、普通に努力すれば、そう難しくなく上位2割の中に入ることができるのです。
このことを知ってほしいわけです。
もし、貴方が上位2割なんかじゃ物足りない。伝説的カリスマ施術者になりたいと、どうしてもそう思うのでしたら、そうなるでしょう。ただし、そういう資質が備わっていればの話ですが。
もしその資質がなければどんなに努力しても無理です。
しかし、上位2割の中に入る方法はお教えすることはできます。
開業者がこれだけ多くとも、ほとんどは集客の仕方を知らない人ばかりですから、実はライバルはさほど多くはないのです。
ちゃんとした技術を習って、ちゃんと集客する方法を知れば、上位2割に中に割と簡単に入ることができるのです。
開業する場合は選択の余地がありません。打ち出し方の程度の問題だけで、治療系にならざるを得ないのです。
なぜなら、そこに来るクライアントは身体にどこかに必ず不都合を抱えていて、それをなんとかしてほしいと思っているからです。
温泉とか健康ランドでの施術と、独立開業での施術の一番大きな違いじゃないでしょうか。
オイルマッサージ系の人も行き詰っていくのはそこの部分でしょう。
タイ古式マッサージも良い方法だと思いますが、個別的症状に対応する、つまり具体的な痛みを取り去る方法論がないので行き詰っていきます。
結局、癒し系は行き詰まるのです。個人開業では。
しかし、私は癒しというものを軽視しているわけではありません。
治療系に特化して、単なる肩こりや首コリは他所に行ってくれ!という整体の流派もあるのですが、それも一つの差別化でしょう。
しかし、時代はもう第三世代へ突入しております。
この第三世代の施術家は高いレベルでの癒しの技術と同時に精度の高い治す技術 を身に付けているのです。
幸い、私は古方の手技を採用しているので、治療的な施術であっても最高の癒しになりますので、あえて癒し系の手技を行う必要がありません。
そのまま、肩こりや首コリ緩和という癒し系の手技にも成り得ます。
もう10年も前から第三世代の施術家だったわけです。
少なくともリフレパシー整体においては「癒し系か?治療系か?」で悩む必要はありません。
温泉や健康ランド施術の出身者が今ほとんど開業に成功できなくなっているのは、マーケティングと治療技術を知らないせいなのです。
世の中のあらゆる商売は単純な三つの構造で成り立っています。
(1)見込み客に”認知”されること。
(2)そのお客に”選択”されること。
(3)そして、そのお客が”満足”しリピートorクチコミに繋がること。
例外はありません。
この認知が宣伝活動(媒体の選定も含む)にあたり、選択されるために一生懸命、文案を練るわけです。
そしてせっかく来て頂いたお客を満足させるべく腕を磨くわけですよ。
そのお客の満足度は症状が楽になったときにもっとも高くなるのは当然のことですよね。だからこそ、治す技術を学ばねばなりません。
この単純な構造さえ知れば何を学ばねばならないのか、一目瞭然ではないですか。
我々の業界は非常に遅れておりまして、この単純なビジネスの法則さえ、知らない人が多いのです。
というか、教えてくれないんですね。
大手校では絶対に無理でしょう。
そもそも個別症状に対応する個別技法と知識を教えてくれません。
本業でさえそうなんですから、ましてやビジネススキルなんぞ手が回らないはずです。
さらにいえば、ホームページの作成の仕方などはあり得ないでしょう。
変化に対応しておらず、開業に必要なことを教えていないというのが現状なのです。
そういう意味では当塾は業界では革命的な授業内容です。
今までも、業界スジでずいぶん真似されましたが、今回も真似されるかもしれません。
しかし、こういうノウハウは一朝一夕でできるものではないのです。
今や整体業も第三世代へ突入しております。
ごく普通のビジネススキルを知っている第三世代は、旧世代を駆逐するかもしれません。
そんな時期に大枚を叩いて旧世代のノウハウを学ぶというのはあまりにも馬鹿げた話です。